愛猫とともに災害を乗り越えるためのアイディアいっぱい【どんな災害でもネコといっしょ】

ルーニー
今回は【どんな災害でもネコといっしょ】を紹介するよ


ポポ
災害対策、大事よね!

災害大国の日本。

日本各地で地震、豪雨などの災害が相次ぎ、他人ごとではないと感じている方も多いのではないでしょうか。

ペットと暮らしている私たちは、自分自身だけではなく、ペットの命を守るという責任があります。

しかし、ペットも含めた防災のための準備は漠然としたイメージはあっても、現実に落とし込むとなると難しいもの。

そんな方におすすめしたいのが、今回ご紹介する【どんな災害でもネコといっしょ】です。

こんな方におすすめ
  • 日頃の備えをしっかり学びたい
  • 災害時にあったとき、どうしたらいいのか具体的に考えたい
  • 被災者のリアルな経験談を知りたい

目次

どんな災害でもネコといっしょ(小学館)

2016年に熊本県を中心に甚大な被害が出た熊本地震。

地震の揺れによる家屋の倒壊や土砂災害により多くの人命が失われました。

そのような状況のなか、地震発生直後から行き場を失ったペットと飼い主さんの受け入れを積極的に行った動物病院があります。

それが、熊本市にある竜之介動物病院です。

閉鎖されるまでの24日間で、延べ1500人と1000匹のペットが動物病院で過ごしました。

今回ご紹介する【どんな災害でもネコといっしょ】は、その竜之介動物病院院長で獣医師の德田竜之介が監修されていて、熊本地震からの教訓が満載となっています。

準備から実際の災害時の様子までを描く

【どんな災害でもネコといっしょ】は、3章から構成されています。

1 「もしも」に備える

2 被災シミュレーション ー発災から再建まで

3 熊本地震を経験して

どんな災害でもネコといっしょ

1 「もしも」に備える

地震や洪水などいつ災害が起こるかはわかりません。

大事な家族である愛猫とともに災害を乗り越えるためには、日頃からのもしもの時の備えが大事です。

この章では、標語の「猫の防災 かきくけこ」を使い、普段から備えておきたいことが紹介されています。

か 飼い主のマナー・責任

き キャリーバッグ

く 薬・ごはん(備蓄品)

け 健康管理

こ 行動・しつけ

「猫の防災 かきくけこ」は、どのようなものが必要なのか、どうしたらいいのかが写真やイラストと一緒に説明されています。

具体的な例示が多いのでとてもわかりやすいです。

 

特に、「こ 行動・しつけ」は大事なポイントだと思います。

「猫にしつけなんてムリ、ムリ!」と思っていらっしゃる方も多いと思いますが、正しい方法で教えれば猫も賢いものでしっかりと学習してくれます。

芸をする必要はありませんが、猫もヒトも安心・安全に暮らすための最低限のしつけはぜひ日ごろから訓練したいですね。

2 被災シミュレーション ー発災から再建まで

実際に災害にあった時どうしたらよいのか、地震を想定して考える考える章です。

発災時の状況別対応として、

1 自宅で一緒に被災

2 飼い主は外出先、猫は自宅

3 飼い主は自宅、猫は外

がケース別に説明されています。

それぞれのケースでは飼い主が注意すること、とるべき行動が具体的に例示されています。

いざというときは慌てがちですが、自分事として頭のなかでシミュレーションをしておくと冷静に行動ができるので、しっかりと読んでおきたいですね。

さらに、避難生活も状況別に4パターンの説明があります。

1 在宅避難

2 避難所

3 車中泊

4 テント泊

実際に被災を体験された徳田先生やたくさんの飼い主さんの声が取り入れられていて、アドバイスが実用的だと感じました。

 

猫は犬と違い、外を自由に出歩いているコも少なくないですし、災害発生時にはパニックになってちょっとした隙間から脱走してしまうケースもあり、はぐれてしまうことが少なくないようです。

「うちのコは大丈夫」と思わずに、はぐれてしまうことを犬以上に想定し、準備をしておく必要があるなと個人的には強く感じました。

 

ほかにも、災害時に起こりやすい猫の行動パターンやその対処法、災害時の猫の応急処置の方法などの説明もあり、勉強になります。

3 熊本地震を経験して

竜之介動物病院の地震発生からの一か月についてまとめた章です。

・どのようなことが困ったのか

・どのような支援が助かったのか

・その時どのように飼い主さん達は行動していたのか

ドキュメンタリーとして描かれていて、現場の状況や奮闘がよくわかり、勉強になりました。

おすすめポイント① 災害発生の対策が具体的

実際に災害を経験された德田先生が監修しているだけあり、対策がとても具体的でわかりやすいのが特徴です。

ペットを守るためには、なによりも飼い主の身の安全確保が第一。

災害が起きたときに、どうしたら自分の身を守りつつペットも助けることができるのかが状況別かつ具体的に説明されているので、スムーズに理解できます。

実際に被災した方の声もたくさん取り上げられているので、「自分の家だったらどうだろう?」とイメージしやすいのもいいですね。

おすすめポイント② 獣医師目線のアドバイスがたくさん

猫の防災に関する本は何冊かありますが、そのなかでも【どんな災害でもネコといっしょ】は獣医師目線のアドバイスが多めという印象です。

・災害に備えるための健康管理、行動・しつけ

・災害発生時のパニックになった猫の行動パターンとその対処法

・災害時の応急処置

災害時は猫もパニックになり、いつもと違う行動をとったり、思わぬ体調不良を引き起こしたりすることがあります。

あらかじめそのようなことがあると知り、心づもりをしておくと、いざという時には速やかに対処をすることができるのでしっかりと読みたいですね。

 

個人的には、災害時の猫のストレス対策としてサプリメントを備蓄しておくというアイディアが新発見でした。

ちなみに『ジルケーン』というサプリメントなのですが、ミルクからできていて、安心感を与えるといわれています。

災害後はストレスで体調を崩すペットは少なくないといわれていますから、お守り的に持っておくというのはアリかもしれないですね。

 

また、我が家ではキャリーは準備してあり、万が一に備え、嫌がらずに入れるように日常から活用しています。

ただ、猫を入れた時の重さを考えると、2つ抱えての移動はあまり実践的ではないなというのが悩みでした。

【どんな災害でもネコといっしょ】では、ペット用スリングが紹介されていて、これはよさそうだなと感じました。

ただ、日常的に使う機会がないので、導入するのかどうかすごく悩みます…。

まとめ

いかがだったでしょうか?

【どんな災害でもネコといっしょ】、德田先生をはじめとした東日本大震災や熊本地震の経験者のアドバイスが詰まった本です。

厚くはない本なのですか、内容が具体的かつ実践的で、情報が盛り沢山です。

災害に備えて、ぜひご覧になってみてはいかがでしょうか。

犬バージョンの本もあります。
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