ツボを探すときに使う「寸」とは?

今回は、ツボ押しでは欠かすことのできない「寸」という単位について話をしていきます

ポポ
単位!? 何それ? ワタシ、難しい話はキライ

まぁまぁ、落ち着いて!
単位というと身構えちゃうけど、ツボを探すときに大切なことだから、一緒に勉強していきましょう

目次

「寸」という単位とは?

長さの単位と言われて私たちが思い浮かべるのは、センチメートルやメートルではないでしょうか。
もしかしたら、インチやヤードが思い浮かんだなんて方もいるかもしれないですね。

今でこそ、センチメートルやメートルは私たちの生活で基準となっていますが、古くからアジア圏で使われる単位として寸(すん)、尺(しゃく)というものがありました。

よくよく考えてみると、日本の昔話にも一寸法師なんて単位が名前になっている主人公がいますよね。
寸や尺を用いた長さの測り方は尺貫法(しゃっかんほう)と呼ばれ、現在でも建築関係などでは使われているそうです。
これらの単位をメートル法の単位に換算すると下のようになります。
1丈 = 10尺 = 3.03m
1尺 = 10寸 = 30.3cm
1寸 = 10分 = 3.03cm
1分 = 3mm
この表を見ると、先ほど登場した一寸法師の大きさは約3cmくらいということがわかります。

ツボを探すときの寸

さて、「寸」という単位について何となくイメージが掴めたかと思うのですが、ここからちょっとややこしい話をしないといけません。

ツボを探すときの目安として「寸」を使うのは冒頭の会話からお解りかと思うのですが、先ほど話をした尺貫法の寸とは長さが違うのです!

ツボを探すときの寸は、骨度法(こつどほう)や同身寸法(どうしんすんぽう)という方法により長さが決められます。

骨度法

ヒトを含め、動物の体は個体によって身長や体格に違いがあるように、ツボ(経穴)の位置も厳密にいえば個体によって異なります。

そこで、それぞれの個体の骨格を基準として寸法を定めたものを骨度といい、この骨度を使ってツボの位置を決定する方法が骨度法です。

骨度法では、体の部位によって寸法が決まっています。

同身寸法

ツボの位置を決める際に正確性を求めるならば、骨度法が優れています。
ただ、これはかなり面倒くさいやり方です。
そこでもっと簡単な方法として考え出されたのが、同身寸法です。
ツボを決めるときに、施術者が指の幅・長さを利用している姿を見たことがありませんか?
もしくはツボに関する本で、「○○から指○本分上」とか「○○から指○本分横」とかの表現を見たことはありませんか?
あれは同身寸法を使って、ツボの位置を決めているんですね。
親指の横幅、もしくは中指を軽く曲げたときにできる線と線の幅が1寸と定義されています。
この指の幅を使い、どこの位置から何寸という感じでツボの位置を決めていきます。
同身寸法での注意点は、施術者ではなく、術を受ける本人の指を基準にすることです。
ちなみに、ヒトの場合は男女に区別がありまして、男性は左手、女性は右手を基準に使います。

まとめ

ややこしい話をしてきましたが、ツボの測る基準に寸という単位を使い、基準になる寸はそれぞれ個体によって違うことがおわかりいただければ十分です!
画一的な基準を求める西洋的思想とは対照的に、各個体差を考慮した基準を編み出した東洋的思想。
鍼灸を学び始めて20年近く経ちますが、東洋的思想の奥深さにはいまだに感心させられます。
次回は、いよいよ、うちのコのツボを探しに必要な1寸の測り方について紹介したいと思います。

次回、お楽しみに!
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