畑仕事の達人から学ぶ養生道

今回は、養生を畑仕事の視点から考えてみます

ポポ
養生と畑ってどんな関係があるの?

では、早速本題にいきましょう!

目次

達人に教わる畑仕事のコツとは

私の趣味の1つに土いじりがあります。

現在はプランターを使った野菜作りを試行錯誤しながら楽しんでいますが、以前は畑を借りて家庭菜園をしていました。

その頃は勤めに出ていたこともあり、畑仕事ができるのはもっぱら週末だけ。

しかも、なんやかんやで用事が入ったり、雨が降っていると「今週はお休み~」という感じで、畑に行けないこともしばしばです。

するとその結果はどうなったでしょうか?

ご想像のとおり、畑とは名ばかりの草むらに…。

育っていたはずの野菜の苗たちも一体どこにいるのやらという状態で、野菜を育てているのか、草を育てているのかという有様でした。

我が家の畑はそんな状況でしたが、お隣さんの畑を眺めてみると野菜たちは青葉を茂らせ、たわわに実が実り、まさに充実したもの。

草畑の我が家とは雲泥の差です。

野菜作りの本を読んだりして私もそれなりに勉強をしているつもりでしたが、どうしてこうも状態が違うのかと不思議に思い、お隣の畑のおばあちゃんの様子を見せてもらうと、あることに気がつきました。

おばあちゃんは、私であれば放っておいてしまうような本当に小さな草さえも見逃すことなく丁寧に刈り、傷んでいる野菜の葉は取り除いたりと、まめまめしく畑や野菜の世話をしているのです。

何か大きな裏技があるのかと思いきや、畑の達人はなにか特別なことをしていたわけではなく、畑の様子をじっくりと観察し、当たり前のことを毎日コツコツと地道に行っているだけなのでした。

「毎日やっているから、大したことないよぉ」と言いながら、おばあちゃんは鎌1本で力を使うこともなく、サクサクと身軽に作業をしています。

それと比べ、小さな芽をほったらかしにした我が家の畑は、根がしっかり張った草を刈るのに悪戦苦闘し、鎌や鍬ではどうにもできずに電動草刈り機を振り回したりと重労働で、しかも収穫量もはるかに及ばないという代償を払う始末です。

 畑から学ぶ養生道

私たちヒトや犬や猫たちの体や健康も畑の手入れと同じです。
畑の達人であるおばあちゃんが行っていたのは養生生活そのもの。
そして、我が家はほったらかし生活です。
この2つを比べてみましょう。

養生生活

隣の畑のおばあちゃんは毎日のように鎌を持って畑に出て、小さな変化を探して歩き、見つけてはその場で始末をしています。
大した道具も必要なく、労力が少ないのが特徴です。

これを健康管理に置き換えてみると、ちょっとした不調や違和感を気にかけ、体を労わる生活になります。

病気ともいえないような段階、東洋医学でいう『未病』のうちにケアをしてあげるということですね。

この段階で気がついて処置することができれば、体はひどい状況になる前に治ってしまうことがしばしばあるものです。

ほったらかし生活

では、一方のほったらかし生活はどうでしょうか?
我が家の畑のようにほったらかしでいると、畑は草がボーボーで荒れてしまいます。
体に置き換えると、不健康が目に見えてわかる状態です。
小さな変化に気がつかない、あるいは気がついても放っておくと、大したことがなかったはずの不調も次第にひどくなり、こうなってくるとちょっとしたケアでは回復は難しく、病院にかかって薬を飲んだり、最悪の場合には手術が必要になったりさえするのです。
どちらが体の負担にならず、楽かといえば前者の養生生活だということは一目瞭然だと思います。
もちろん、いくら手入れをしていても畑には自然による思わぬ災害があるように、体も病気にならないわけではありません。
でも、不調の初期段階でケアをしてあげれば、薬をたくさん飲まなくてはいけないような状態になったり、手術に至ったりするようなリスクを減らすことができます。
残念なことに、私たちは後になって目に見えて症状がひどくなり、痛い思いをするまで体への気遣いを疎かにしてしまいがちです。
トラブルが小さなうちにケアしてあげれば、私たちヒトも含めた動物の体は自らの力で回復することができるのに、それをみすみす見逃してしまうとは実にもったいないことではないでしょうか。
小さな芽のうちに対処するという方法は一見面倒くさいようでいて、実は一番楽でやさしい体への思いやりであり、それが養生の道なのです。
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