獣医動物行動学の専門家が書いた真面目な猫の飼育本【猫の困った行動 予防&解決ブック】

ルーニー
今回は【猫の困った行動 予防&解決ブック】を紹介するよ


ポポ
猫と楽しく暮らすためにお勉強をぜひしてね
ひとの傍で暮らす動物としての歴史が長い猫ですが、今ほどブームになっているのも珍しいのではないでしょうか。
猫の魅力にとりつかれた人たちが溢れ、メディアを覗けば、猫、猫、猫。
猫の情報に触れない日はないのではないかと感じるほどです。
その一方で、猫にまつわるトラブルも増えています。
これまでは外と家の中を自由に行き来し、ご飯を食べるときだけ帰ってくるというような飼い方だった猫ですが、現在は事故や猫同士のけんか、感染症などの予防のため、外に出さない『完全室内飼育』が推奨されています。
しかし、飼育法が変わったからといって、猫自体が急に変わることはありません。
猫は猫のままです。
猫特有の本能、行動などを理解していない、ただ閉じ込めただけの室内飼育ではいわゆる猫の問題行動につながってしまい、本来であれば楽しいはずの猫との生活がストレスいっぱいのものになってしまいます。
そのような事態を防ぐためにも、猫のことについて飼い主が学び、知識を生活の中で実践していく必要があります。
その際に手に取っていただきたいのが、今回ご紹介する【猫の困った行動 予防&解決ブック】です。
こんな方におすすめ
  • これから猫を迎えるために知識が欲しい
  • 猫との生活で困っていることがある
  • 暮らしをワンランクアップさせて、猫を満足させたい

執筆・監修共に動物行動学のプロフェッショナル

【猫の困った行動 予防&解決ブック】は、2人の獣医師による本です。

執筆は、藤井仁美さん。

獣医行動診療科認定医、ペット行動カウンセラーとして活躍中で、動物の行動に関する診察のプロでいらっしゃいます。

 

監修は、水越美奈さん。

ペットの行動学について、セミナーや講演などで引っ張りだこの先生です。

現在は日本獣医生命科学大学教授として勤めておられ、同大学付属の動物診療センターでは獣医行動診療科認定医として行動治療科を担当されています。

『獣医行動診療科認定医』って、何?

先ほど登場した、『獣医行動診療科認定医』という言葉を初めて聞く方もいることでしょう。
獣医行動診療科認定医は、日本獣医動物行動研究会により動物行動学のスキルを認定された獣医師で、下記のように定義されています。

獣医動物行動学(動物行動学および臨床行動学)に精通し,行動診療を行うために必要な専門知識と技術,十分な診療経験を有しており,獣医行動学分野における最新知識の取得に務め,行動診療を通して動物と飼い主の幸福増進に貢献するとともに,獣医動物行動学分野の発展に寄与し,わが国における同分野の啓発と普及に貢献するための努力を惜しまない獣医師

日本獣医動物行動研究会
ざっくりいうと動物の行動に関するプロ獣医師のことです。

 

一般的な小動物臨床獣医師はペットの体について全般の知識を持っていますが、やはり知識は広く浅くなりがちです。

近年ペットの行動や家庭生活についてのトラブルが増加しており、一般の動物病院レベルでは解決が難しいケースも少なくありません。

 

そのような問題に対するスペシャリストとして注目されているのが、獣医行動診療科認定医という行動学の専門知識を持った獣医師なのです。

しかし、獣医行動診療科認定医の人数や行動診療をしている動物診療施設が少ないのが、残念なところ。

これからどんどん増えていくことが期待されます。

 

ご興味のある方は、こちらのサイトをご覧ください。

日本獣医動物行動研究会 獣医行動診療科認定医紹介

 

【猫の困った行動 予防&解決ブック】は執筆、監修共に獣医行動診療科認定医が担当しており、動物の行動についてのプロ中のプロが作った本ということですね。

真面目な猫の飼育本

巻頭の『ーはじめにー』で水越先生が【猫の困った行動 予防&解決ブック】を作成された動機について触れておられます。

『どうして犬では飼育やしつけに関する本が多くあるのに、猫では写真集などは多いものの、飼育やしつけについて詳しく書かれた本はほとんど見つけることができないのだろう』と感じていました。

『猫は小さな犬ではない』のです。

猫には猫の飼育本が必要です。

「猫は完全室内外の方が幸せ」と記しましたが、猫の行動特性を考えて環境を整えなければ、真の幸せな猫にしてあげることはできません。

この本は、初めて猫を飼育する方、今以上に猫とともに幸せに暮らすことを望んでいる方、もっと猫と仲良くなりたい方に向けて、獣医動物行動学の視点から真面目な猫の飼育本を作ろうという趣旨で企画が始まりました。

猫の困った行動 予防&解決ブック
『真面目な猫の飼育本を作ろう』という言葉通り、いわゆる『面白い本』ではありません。
写真が多い本で見られるあどけない猫たちの写真や面白い小噺などは皆無。
オールモノクロで、いたって真面目です。
猫にとって好ましい生活環境、問題行動を予防するための育て方、問題行動の対処法などが粛々と綴られており、全部で4章から構成されています。
Chapter.1 猫を我が家に迎える前に
Chapter.2 猫の困った!を防ぐ育て方
Chapter.3 発生!猫の問題行動への処方箋
Chapter.4 健康で長生きしてもらうために
 

この情報量でこのお値段

知ってほしいことをとことん詰めたので文章量が多く、小難しく感じる方もいるかもしれません。

しかし猫を愛しているのであれば、そして愛猫をもっと幸せにしたいのならば、猫のことをたくさん知ってほしいのです。

猫の困った行動 予防&解決ブック
このように水越先生も言及されているほど、文章満載の本です。
『少しでも多くの知識を』という製作者サイドの熱意が文章量となっていると思うと、たくさんの文章も煩わしいどころかしっかり読み込まなければと気合いが入るというもの。
Chapterは更に細かく分かれて解説されていますので、文章が読むのが苦手という方もコツコツと読み進めれば大丈夫でしょう。
今既に猫と暮らしていて問題行動で悩んでいる方は、本を最初から読まずにその解決方法が書いてある部分から読むというのもアリです。
可愛いだけの写真などはなくてもよいとして、個人的にはもう少し解説の写真やイラストが多いといいなと思ったのですが、約2000円という値段のことを考えると致し方のないところ。

似たような内容の本であっても、獣医療関係者向けとなれば2~4倍の価格がざらであることを考えれば、破格といえるでしょう。

行動学のプロの中のプロが書いた本がこのお値段で手に入るのは非常にありがたいことです。

まとめ

猫の行動でお悩みの方はお手に取ってみてはいかがでしょうか?
文章量は多いですが、難しい専門用語などはほとんどなく、藤井先生から直接お話を伺っているような感覚で私はスルスルと読めました。

猫の問題行動でお悩みの方はもちろん、問題行動を起こさせないためにも猫飼いさんのお家に置いておきたい一冊です。

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