アフターコロナだからこそ改めて考える防災【決定版 犬と一緒に生き残る防災BOOK】

キャシー
今回は、【決定版 犬と一緒に生き残る防災BOOK】を紹介します


パル
新型コロナで犬の防災はどう変わるのかな?

日本各地で地震、火山の噴火などの災害が相次いでいます。

災害はもはや他人ごとではなく、いつ自分とペットが災害に見舞われてもおかしくない状況にあります。

さらに、災害に対してだけではなく、同時に新型コロナのような感染症にも同時に配慮しなければならないという、かつてない時代に私たちは生きているのです。

 

今回ご紹介する【決定版 犬と一緒に生き残る防災BOOK】は、コロナ禍の災害対策が想定されており、これまで発行されてきた犬の防災関連本からバージョンアップされています。

これまでの防災対策からさらに一歩進んだ知識を得たい、考えたいという方におすすめです。

こんな方におすすめ
  • 新型コロナを踏まえた災害対策を知りたい
  • 災害時にあったとき、どうしたらいいのか具体的に考えたい
  • 我が家の防災対策を考えるきっかけが欲しい

目次

決定版 犬と一緒に生き残る防災BOOK(日東書院本社)

 

心得から避難の在り方までの情報たっぷり

【どんな災害でもイヌといっしょ】は、心得+3章から構成されています。

災害時の心得五

第1章 備えがすべて

第2章 災害発生!そのときどうする

第3章 避難生活の送り方

決定版 犬と一緒に生き残る防災BOOK

災害時の心得五

【決定版 犬と一緒に生き残る防災BOOK】では、「災害時の心得五」をキーワードに防災に対する基本的な心構えについて解説しています。

心得その一 人命が最優先

心得そのニ ペットや飼い主は“災害弱者”

心得その三 必要な備えは家によって異なる

心得その四 自宅で被災するとは限らない

心得その五 複数の避難先を想定する

「災害時の心得五」は、一見するとどれも当たり前なこと。

でも、私たちはついそれを忘れてしまうものです

災害対策では、基本の基を大切にすることの大切さを改めて考えさせられます。

第1章 備えがすべて

第1章 備えがすべて』は平常時にしておきたい準備・備えについての章で、内容は以下のとおりです。

・『モノ、知識、体験』という3つの視点からの備え

・平常時につくっておきたい地域のネットワーク

・犬の健康管理、社会化、しつけ

個人的に興味深かったのが、ペットシーツ活用術のページ。

犬と暮らしている方ならば多少のペットシーツの備蓄はあるものですが、災害時にフル活用できたら頼もしいですよね。
犬のためだけではなく、ヒトにも使えるアイディアが載っているので、頭の片隅に入れておくと役に立ちそうです。

第2章 災害発生!そのときどうする

『第2章 災害発生!そのときどうする』では、災害発生時の飼い主と犬の置かれている状況別にどのように行動したらよいのかを解説する章です。

 

地震発災時の状況別対応として、次の3つのケース別が説明されています。

CASE1 自宅で被災したとき

CASE2 犬と外出中に被災したとき

CASE3 飼い主のみが外出中に被災

また、水の災害(大雨洪水、土砂災害など)の解説もあります。

地震についての知識はあっても、水害についてはあまり意識したことがない方も多いのではないでしょうか。

近年は局所的な大雨による被害が各地で起こっていますので、対策をぜひ知っておきたいものです。

 

地震や水害のそれぞれのケースでは飼い主が注意すること、とるべき行動が具体的に例示されています。

いざというときは慌てがちですが、自分事として頭のなかでシミュレーションをしておくと冷静に行動ができるので、しっかりと読んでおきたいですね。

 

ほかにも、この章で注目したいのは犬の応急処置の項目です。

取り扱われている応急処置は次の内容となっています。

・緊急時対応のフローチャート
・出血
・骨折・打撲
・やけど
・熱中症
・脱水
・低体温
・呼吸がない
・心肺停止
・保定の仕方

災害時には移動手段がなかったり、動物病院も被災をしている恐れがあるため、すぐに犬を診察してもらえないかもしれません。

 

そのような事態に備え、飼い主としてひと通りの知識を得ておくと、いざというときに強い味方になってくれることでしょう。

 

128ページという本のなかで、応急処置だけでなんと13ページも割かれているのですが、ぜひ一度目を通してみたくださいね。

第3章 避難生活の送り方

避難生活というと避難所が第一に思い浮かびますが、避難所で過ごすペットのストレスや感染症のリスクを考えると、ほかの避難の在り方を検討するほうがよい場合もあります。

 

そこで、『第3章 避難生活の送り方』では、ペットもヒトもいかに心身の負担を少なく避難生活を送るかということを中心に解説していきます。

 

避難生活については、状況別に6パターンの説明があります。

CASE1 人も犬も家で過ごす

CASE2 人は避難所、犬は家

CASE3 人も犬も避難所

CASE4 人も犬も車中泊

CASE5 人も犬もテント

CASE6 どうしてもお世話できなければ

どのケースも飼い主、犬ともに役に立つ具体的な情報やアイディア、注意点がいっぱいで、読んでいて「なるほど~」がいっぱいです。

 

そのご家庭ごとに置かれている状況は違うと思いますが、「もし今自分の身に起こったら」と想像力を駆使して読み進めるのがよさそうです。

 

さらに避難生活のケース別解説のほかにも、巻末までお役立ち情報が満載となっています。

・暑さ対策、寒さ対策
・犬が迷子になってしまったら
・生活を再建する
・仮設住宅で犬と暮らす
・非常用グッズリスト
・愛犬の健康手帳
・情報収集&安否確認ツール

おすすめポイント① コロナを踏まえた防災のあり方を提案

新型コロナウイルスの影響により、これまでと避難に対する考え方を変えざるをえない事態になっています。

以前は避難所に行くことが一般的によしとされていましたが、感染を防ぐためには避難所以外の避難先を考える必要性が出てきています。

 

以前にも別の出版社から犬をはじめとしたペットの災害対策の本が出ていますが、新型コロナの影響を踏まえたうえでの防災についてまとめられた本はおそらくこれが初めてではないでしょうか。

 

新型コロナウイルスによる避難先に対する考え方の変化についても詳しく説明されていて、災害対策の最先端をいっているといえるでしょう。

おすすめポイント② コンパクトながらも情報充実

【決定版 犬と一緒に生き残る防災BOOK】の巻頭にこのような文章が掲載されています。

この本では、犬と暮らす人がやっておくべき基本の防災と、あらゆるケースを想定したハウツー、そして知っておくだけで対処できることが大幅に広がるさまざまなアイデアをご紹介します

決定版 犬と一緒に生き残る防災BOOK

「まさにその通り!」というのが、読んだ私の感想です。

 

コンパクトサイズの本ながら、情報が盛りだくさん。

実に読み応えがあります。

実践的かつ具体的な内容は、「痒いところに手が届く」という表現がピッタリくるような仕上がりになっています。

 

また、写真は使われていませんが、シンプルで可愛らしいイラストがふんだんに使われており、イメージがしやすくなっているのもいいですね。

コンパクトな本に情報を詰め込んだ分、ちょっと字が小さめと感じる方がいるかもしれませんが、どのページも充実の内容なので、ぜひ漏れなく端から端まで読むのがおすすめです。

まとめ

いかがだったでしょうか?

【決定版 犬と一緒に生き残る防災BOOK】、犬と飼い主が災害を乗り越えるためのアイディアが体系的にまとまっているバランスの良い一冊です。

 

新型コロナの感染防止を踏まえた防災について書かれているため、犬の防災対策に関する本をすでに読んだことがある方もぜひ読んでいただきたいところです。

 

ご興味のある方はぜひお手に取ってみてくださいね。


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