「よい動物病院」はどこにある?

『よい動物病院』って、どんな病院だと思う?

ポポ
痛いことをしない病院!!

それはもちろん大事だけど
それだけじゃ困るのよね・・・

目次

『よい動物病院』の条件は?

仕事柄、動物のご家族から動物病院のことについてお話を伺う機会がよくあります。

「あそこの先生は・・・」、「診察料が・・・」と多岐にわたり皆さまお話してくださるので、興味深くいつも聞いております。

 

ときには「どこの動物病院がいいのでしょうか?」とご相談を受けることもあるのですが、そのたびに『よい動物病院』とはどのような病院なのかと思案することになります。

 

検査機器が揃っている。

診察、手術技術に長けている。

緊急でも診察してくれる。

スタッフの対応が優しい。

料金が安い。

治療に積極的である。

無理な治療はしない。

飼い主の話をよく聞いてくれる。

説明が丁寧。

たくさんのスタッフが揃っている。

 

ぱっと考えただけでこのようなことが思い浮かびますが、これらを満たせば『よい動物病院』なのでしょうか?

『よい』の感じ方は人それぞれ

例えば、「外科手術に優れた動物病院はどこですか?」と質問されれば、「〇〇動物病院には△△先生がいて、手術の経験も豊富です」とお答えすることも可能かと思います。

しかし、『よい』というのは感覚的な部分が多分にあり、非常に漠然としていて、それぞれの飼い主さんで捉え方が異なるものです。

獣医師やスタッフも人ですから、飼い主さんとの相性もあります。

 

「診断の腕は良くても、あの先生は何となくイヤ」ということがあるかもしれません。

一方で、「病院は古くて、検査機器も旧式だけど、先生の人柄がホッとできる」ということもありえるでしょう。

 

「できるだけの治療をしてあげたい」と思う方は、積極的な治療や手術を勧める動物病院がよいでしょうし、「できるだけ自然に」と考える方は必要最低限の処置をする動物病院が合うかもしれません。

 

ここで身内の老猫の具合が悪くなった時の話を挙げてみましょう。

15歳を過ぎたおじいちゃん猫は気がついたら、お腹が日に日に膨らんできました。

そこで、かかりつけの動物病院で診てもらったところ、「もうそのままにしておきなさい」と言われたというのです。

その話を聞いたとき、獣医師としての知識や経験から、もう少し検査や治療をすることもできるのではないかと思い、セカンドオピニオンを受けるように勧めました。

しかし、「先代の猫を飼っていた時から30年近くお世話になっているかかりつけの先生がそう言うのだから」と、結局、検査や治療などは行わず、そのまま死を迎えたとのことでした。

 

この選択がいいのか悪いのかは飼い主さんごとによって判断が違うと思います。

よくなる可能性があるのに何もしないなんてかわいそうと思う方もいるでしょう。

一方で、痛い思いをして検査をしたり、つらい治療をしたりせず、自然に逝けてよかったねと思う方もいるでしょう。

信頼、納得できるかが大切

究極のところ、『よい動物病院』とは何かを考えると、飼い主さんが信頼、納得して動物のことを任せられる動物病院なのではないでしょうか。

必ずしも世間的に評判がよい動物病院が、自分にとって『よい動物病院』とは限りません。

 

飼い主さん同士の口コミやネット情報も参考にはなるかもしれませんが、そのままを鵜呑みにせずにご自身で判断することが大切です。

ペットと生活していると動物病院との付き合いは欠くことはできません。

『我が家のよい動物病院』を見つけ、獣医師をはじめとするスタッフと信頼関係を築ければ、安心して暮らすことができるのではないでしょうか。

 

ペットが年齢を重ねると、身体の不調は増え、動物病院に通うことが多くなってきます。

体調が悪くなってから『よい動物病院』を探し歩く動物病院難民にならないためには、ペットが若いうちから、飼い主さんご自身が納得できる動物病院を見つけておくことが肝心です。

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