愛犬ががんになった飼い主のための実用書【うちの犬ががんになった】

キャシー
今回は【うちの犬ががんになった】をご紹介します


パル
愛犬が「がん」になって心配な飼い主さんは読んでみてくださいね

犬の寿命が大きく伸び、かわいい愛犬と一緒に過ごす時間が増えたことは喜ばしいことです。

その一方で、ひとと同様に「がん」に侵される犬も増えています。

 

これから一体、どうしてあげたらいいのだろうか?

この選択は本当にあっているのだろうか?

 

犬ががんになり、このような心配や不安、葛藤と闘っている飼い主さんも多いことと思います。

そのようなときに手に取っていただきたいのが、今回ご紹介する【うちの犬ががんになった】です。

愛犬ががんと診断されて不安を抱えている方だけでなく、シニア犬・老犬と暮らしている飼い主さんにはぜひ読んでいただきたい一冊です。
こんな方におすすめ
  • 犬ががんと診断された
  • 犬のがんの闘病生活でできることを知りたい
  • もし犬ががんになったときのために勉強をしておきたい

目次

うちの犬ががんになった( 緑書房 )

著者はオランダ出身の元ジャーナリスト

【うちの犬ががんになった】の著者は、ウィム・モーリングさん。

オランダ生まれで、ジャーナリストとしてラジオやテレビ、新聞などのメディアで仕事をされていました。

1988年に日本に移住され、2011年の執筆当時は千葉県市原市にお住まいでした。

飼い主による飼い主のための犬のがんの本

【うちの犬ががんになった】は、ウィム・モーリングさんご自身が愛犬のケンタをがんで亡くした経験をもとに執筆された本です。
執筆を決意した動機について、「はじめに」でこのように綴っています。

がんと闘うケンタにできる限りの世話をして、支えてあげるにはどうすればいいのか。

そんな疑問に答えてくれる実用書、つまり私たち飼い主にも理解できる言葉で書いてある本を探しました。

しかし、驚いたことに、そのような本は見つかりませんでした。

(中略)

そこで私は決意しました。

犬ががんだとわかったときに役に立つ情報が載っている、そんな本を書こうと。

がんになった犬の世話について調べられることはすべて調べ、ケンタの経験も参考にしました。

そして、飼い主さんたちが準備を整えて犬のがんに向き合い、不安を和らげる助けになる本、動物病院での検診や治療では何を何のためにするのか知りたくなったときに役立つ本を書こうと決めたのです。

うちの犬ががんになった
獣医師による獣医師のための専門書や、獣医師による飼い主のための病気の解説本は数々ありますが、確かに愛犬ががんになったときの飼い主目線の実用書というのは類がありません。
ネット上ではペットの闘病について書かれている個人ブログもありますが、【うちの犬ががんになった】がそのようなものとは一線を画しています。
というのは、個人的な経験がもとになっているものの、1年以上かけて獣医療に関する情報の収集、精査を行い、さらに2人の獣医師が執筆にあたり協力・監修しているのです。
しかし、それだけではなく、あくまでも飼い主目線というのを忘れず、不安を抱える飼い主に寄り添い、励ますような内容になっているのが素晴らしいです。

がんの診断から別れまでを解説

【うちの犬ががんになった】は、がんの説明+7章から構成されています。

犬のがん

第1章 診断

第2章 治療に際して決めること

第3章 治療

第4章 世話の仕方

第5章 ほかに考えられる方法とは?

第6章 別れのとき

第7章 愛だけを残して

うちの犬ががんになった

犬のがん

「がん」という言葉はよく聞く言葉ではありますが、そもそもどういう病気なのかとよくわからない方も多いと思います。

「犬のがん」は、本章に入る前にがんについて説明するための章です。

がんの定義や、がんに関するよくある疑問、犬に多いがんが解説されています。

第1章 診断

「第1章 診断」は、がんと診断されたときにどうしたらよいかについての章です。

 

かわいい愛犬ががんと診断されれば、飼い主ならば誰しもが動揺するもの。

そのような心の状態になったときへの励ましは心に染みるものがあります。

 

診断については以下の内容が説明されています。

・身体検査
・生検
・超音波検査(エコー検査)
・X線検査(レントゲン)
・コンピュータ断層撮影(CTスキャン)
・磁気共鳴画像(MRI)

第2章 治療に際して決めること

「第2章 治療に際して決めること」は、がんと診断されたのち、治療に関してどのような選択肢があるのかという説明と、それを選択する際の心構えについての章です。

 

病気やその治療、介護の仕方についての本はそれぞれ他にも見当たりますが、治療法の選択について踏み込んだものは珍しく、まさにこの章が【うちの犬ががんになった】の肝なのではないかと個人的に感じています。

 

私も一人の飼い主として、家族として暮らしていたゴールデン・レトリバーのキャシー、バーニーズ・マウテンドッグのパルをがんで見送った経験があります。

その際に、「数ある選択肢の中でどれを選ぶのがベストなのか」と悩み、葛藤しました。

選択した後も理性的に考えればよい選択をしたとわかっているにも関わらず、一方で「本当にこれでよかったのだろうか?」と不安、疑念がふと湧き出てきて、苦しい気持ちになったりもしました。

 

このような気持ちになるのは私だけではなく、多くの飼い主さんも同じことでしょう。

「第2章 治療に際して決めること」は、そのような飼い主さんの心の支えになってくれる章です。

現在進行形で悩んでいる方だけではなく、私のように過去にがんで愛犬を見送った経験がある方もぜひ読んでいただければと思います。

第3章 治療

「第3章 治療」は、治療法について具体的に説明する章です。

がん治療の基本となる、手術、化学療法(抗がん剤治療)、放射線治療の3つがそれぞれ解説されています。

 

手術の項目では、どのような段取りで手術がなされるか、飼い主としてできることが順を追って説明されています。

 

化学療法(抗がん剤治療)、放射線治療については、治療の原理、副作用、病院での実際の手順がそれぞれ解説されています。

第4章 世話の仕方

「第4章 世話の仕方」は、闘病中の犬のケアの仕方についての章です。

犬の体調の観察ポイントやその方法、術後ケアのやり方が衣食住の観点から具体的に書かれています。

 

家での看護・介護はなにかと不安がつきものです。

闘病中にどうしたらよいか困ったときは、この章を開くと解決のてがかりが得られることと思います。

第5章 ほかに考えられる方法とは?

「第5章 ほかに考えられる方法とは?」は、手術、化学療法(抗がん剤治療)、放射線治療以外のアプローチについての章です。

このような内容について、説明があります。

・栄養
・鍼治療
・カイロプラティック療法
・マッサージ療法
・サプリメント(栄養補助食品)
大切な家族である愛犬のためにできることはしてあげたいと考える飼い主さんは多いことと思います。
しかし、場合によっては、その思いやりがかえって悪影響を及ぼすこともあります。
このような治療法に関心がある方は、挑戦する前にぜひ読んでくださいね。

第6章 別れのとき

「第6章 別れのとき」は、残念ながら別れのときが近づいてきたときのための章です。

ホスピスケア、安楽死について説明されています。

犬の完治を願っている飼い主としては想像したくないことですが、残念ながら選択せざるを得ない場合があります。
特に安楽死に関しては、悩む方が非常に多いと思います。
愛犬のために悩んだとき、この章が決断を支えてくれることと思います。

第7章 愛だけを残して

「第7章 愛だけを残して」は、愛犬を見送った後の悲しみの変化や向き合い方、ペットロスについての章です。

今現在愛犬を亡くして辛い状況にいる方。

これから自分がそのような状況になるのが心配という方。

ゆっくりと気持ちを落ち着けながら、この章と向き合ってみてはいかがでしょうか。

まとめ

【うちの犬ががんになった】は愛犬をがんで亡くしたウィム・モーリングさんが同じような状況におかれた飼い主の役に立つよう書いた、飼い主による飼い主のための本です。
知識的な部分はもちろん、同じ苦しみを経験した飼い主としての励ましはきっと多くの飼い主さんの心に響くことでしょう。
今がんと闘っている犬と暮らしている方。
過去にがんで犬を見送った方。
そして犬を愛する多くの飼い主さんに手に取っていただきたい一冊です。

巻末に「ケンタの日記」というページがあります。

闘病体験を犬のケンタ目線で描くというコーナーなのですが、涙なくして読むことができませんでした。


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