少子高齢化の日本では、ペットにお金をかける人が増えています。
矢野経済研究所の調査によると、国内のペットビジネス市場はいまや1兆5000億円以上という巨大な市場。
さらに毎年100億円以上のペースで拡大しているそうです。
ホームセンターやショッピングモールに行くと、ペット用品を扱うコーナーは少なくない売り場面積を占めています。
所狭しとフードから遊び道具までがずらっと商品が並び、週末ともなるとペットを連れたお客で大賑わい。
可愛いペットにお金をかけてあげたいという飼い主心がよく表れていますね。
なぜペットにお金をかけるのか
なぜ、私たち飼い主は熱心にペットにお金をかけるのでしょうか。
いろいろ考えはあると思いますが、最終目標は「ペットと幸せになるため」ではないでしょうか。
幸せになるにはお金が必要なことに間違いはありませんが、幸福度を決めるのはお金をどれだけ持っているかではなく、どう使うか、何を手に入れるかだとさまざまな研究分野の専門家が述べています。
つまり、少ないお金であっても使い方を工夫すれば、お金をたくさん持っている人よりも幸福度の高い生活を送ることが可能なのです。
幸せになるお金の使い道とは
では、具体的にはどのようなお金の使い方が幸せにつながるのでしょうか。
そのヒントは「体験」だといわれています。
お金の使い道は大きく分けて、モノを買うこと、体験を買うことの2つがあります。
この二つを比べると、同じようにお金を払うにしても幸せになるのは、圧倒的に「体験」の方なのだそうです。
その理由は、モノを買う喜びというのは、モノの価値が一番高い購入したときがピークで、時間の経過とともに下がっていくから。
それに対し、体験というのは、時間の経過とともに価値が上がっていきます。
ここには記憶のメカニズムが働いていて、ツラいことや苦しいことも時間が経てば美化されるため、体験の価値はどんどん上がっていくのです。
また、体験をするためには計画を立てる必要があるので、その過程で生まれる期待感が幸せ度を上げ、体験を通して体を動かすことでストレスが軽減し、さらに幸せにつながるともいわれています。
このように、同じお金を使うならば「モノ」よりも「体験」を選んだ方が幸せになれるというわけです。
例えば、高いブランドの首輪を単に買ってあげるのではなく、ワークショップに参加して手作りの首輪を作ってあげる方が、長い目で見ると幸せになれるのですね。
まとめ
私の場合を振り返ってみると、愛犬キャシーとの幸せな思い出は、冬の寒いなかに流星群を一緒に見に行ったとか、車に乗って旅をしたとかです。
かなりの年月が経っていますが、思い返してみると胸がほんのり温かくなるような幸せな気分に浸ることができるうえに、どちらもほとんどお金はかかっていません。
逆に、なにかを特別に買ってあげたという思い出は実際にはあるはずなのに、ぱっとは思い浮かびません。
自分自身の経験からも、より幸せなお金の使い方は「モノ」よりも「体験」というのは納得がいくところです。
ありがたいことに、幸せになるにはお金をたくさん使えばいいということではないので、「これしかペットにお金をかけられない」と嘆く必要もありません。
「経験」をペットとたくさんすれば、それで十分に幸せにつながるのですね。
ペットのためにお金を使う際には、「モノ」よりも「体験」ということを頭の片隅にいれておくと、より人もペットも幸せに暮らすことができそうです。