【ねこのほそみち ―春夏秋冬にゃー】は、さくら社のホームページで連載されていた『ねこのほそみち』を書籍化したものです。
1つの句に対し、見開きで解説と漫画が掲載されています。
猫を詠んだ俳句を堀本さんが選び、解説を書くのと同時進行で、一方のねこまきさんは漫画を描くというコラボレーションスタイルがとられていたそう。
ですから、ホームページに掲載されるまでお互いに相手がどのような内容で書いてくるかがわからない、といった楽しみがあったようです。
俳句の勉強となるとやや堅くハードルが高い感じですが、堀本さんの解説は俳句初心者でも親しみやすい文章で、まるでエッセイやショートストーリーを読んでいるよう。
一方のねこまきさんの漫画は、ほっこり、ほのぼの。イラストを見ているだけでも和みます。
掲載されている俳句は、四季折々の猫にまつわる句です。
どれも猫がいる風景が目に浮かぶような表現豊かなものばかり。
私は俳句に全く疎く、学生時代の教科書レベルでしかわからないのですが、こんなにも猫が登場する俳句があることをこの本を読んで初めて知りました。
小林一茶や正岡子規高浜虚子といった教科書に載るような俳人をはじめ、たくさんの方々がこんなにも猫の句を詠んでいることには驚きです。
私のお気に入りのは、平井照敏さんの句。
炬燵で温まりすぎて、お尻だけ出している猫の姿を詠んだ句ですが、まるで我が家の冬の日常を描いているかのよう。
うちの猫たちも炬燵好きで、熱くなると顔だけ出したりとそれぞれ工夫しているのを見るのも冬の風物詩ともいえるかもしれませんね。
このほかにも、猫と暮らしている人なら「わかるなぁ」という俳句がいっぱいです。
日向ぼっこをしながら、秋の夜長に、こたつで暖まりながら、一句一句ゆっくりと味わいながらのんびりと楽しむのがおすすめです。