災害とともに生きるといっても過言ではない自然災害が多い国、日本。
災害時においては行政による助けである『公助』よりも、被災者自らやその周辺の人達同士の助け合いである『自助』、『共助』が大切とされています。
自分で身を守れないペットがいる家庭ならばなおさら。
ペットの安心・安全は飼い主自身が守るという意識を持ち、日ごろから備える必要があります。
しかし、漠然とその必要性はわかっているけれども、どこからどのように手を付けたらよくわかりませんよね。
そのような方におすすめなのが今回ご紹介する【犬連れ災害対策マニュアル】です。
- 災害対策のための準備、しつけについて学びたい
- 災害でどのようなことが想定されるか知りたい
- 犬と一緒に被災した人のリアルな体験談を知りたい
犬連れ災害対策マニュアル(枻出版社)
いま災害が起きたら
あなたは愛犬を守れますか―?犬連れ災害対策マニュアル
私達ペットと暮らす者に求められる防災対策とは何なのでしょうか?
防災対策に唯一の正解はないですが、その答えのヒントが【犬連れ災害対策マニュアル】にはたくさんあります。
被災者のリアルな体験談
わかりやすい専門家の解説・説明
被災体験者のケーススタディに加え、専門家による詳しい説明も満載です。
●避難生活シミュレーション
①ペットと一緒に自宅で被災した場合、
②ペットと一緒に外出時に被災した場合、
③外出時に別々に被災した場合、
特別付録『災害時愛犬連絡帳』
愛犬についての情報を記載できる薄い冊子『災害時愛犬連絡帳』が付録としてついています。
飼い主の情報、犬の情報、緊急連絡先、動物病院連絡先を記入できるようになっており、写真を張り付けるページもあります。
冊子の後半には応急処置マニュアルもあります。
普段から覚えておきたい犬の体の扱い方やいざという時のための心肺蘇生の方法、応急処置の仕方がカラー写真で解説され、わかりやすいです。
表紙の色も◎。
第三者が見たときに注目しやすい色合いに工夫してあり、災害対策のために考え抜かれたシンプルでありながら充実の内容です。
巻末には『災害時愛犬連絡帳』の使い方、記入法だけではなく、オリジナルでノートを制作するときのポイントも書かれています。
さらっと書かれていて読み過ごしそうになりますが、隅々まで目を通していただきたいです。
まとめ
今からでもすぐできる平常時の備え、愛犬のしつけ、いざという時のためのシミュレーションだけではなく、被災者のケーススタディがたくさん収められた充実の一冊です。
これまでのペットの防災本は獣医師や防災の専門家の話が中心で、被災者のリアルな体験談がこれほど多く盛り込まれたものは珍しいのではないでしょうか。
災害を他人事ではなく「自分事」として捉え、想像する、頭の中で体験する、そして備えるきっかけとして一度ならず何度でも読み返したい本です。