模様が多彩なところも猫の魅力の一つといえるのではないでしょうか。
あまりの芸術性に目を見張ってしまうようなデザインの衣を身にまとった猫は、生命の神秘のかたまりです。
その魅力あふれる不思議な猫たちの模様は遺伝子によって決まっているのですが、その仕組みをやさしく解説した本が今回ご紹介する【ネコもよう図鑑】です。
遺伝子の仕組みを知れば、猫の模様がもっと可愛く思えますよ。
- 猫の模様の不思議に興味がある
- 猫の模様を勉強したい
- 遺伝学を学びなおしたい
理科に精通したスーパー先生
遺伝学、一から学べます
「遺伝学」と聞いて、何を思い浮かべますか?
学生時代に生物学の授業を受けていた方ならば、きっとメンデルのエンドウ豆を思い出すことでしょう。
しわとツルツル、緑と黄色の組み合わせに四苦八苦したのははるか遠い記憶です。
昔の記憶がよみがえり、抵抗がある方も少なくないと思いますが、そこはご安心ください。
【ネコもよう図鑑】では、遺伝の基礎から解説されています。
浅羽先生はさすがに長年教師をされてきただけあって、解説が平易な言葉で書かれているので読みやすいです。
しかし、遺伝学自体が難しいので、「わかりやすいです」と一言で片づけてしまうのは正直ウソになると思います。
ですが、模様や遺伝子配列についても、うまくイラストを使っているので視覚的にも理解しやすく、これまで読んできた遺伝に関する本の中では圧倒的に興味を持つことができる、やさしい内容だと思います。
本の後半の第三部では、猫の遺伝子について理解を深めるために、猫の歴史、骨格、遺伝子と染色体、メンデルの法則についても解説されています。
学生時代のエンドウ豆に興味が持てなかった人でも、猫のこととなるときっと勉強できるのではないでしょうか。
しかし勉強が苦手な悲しい我が身、途中で睡魔に勝てなかったことを申し添えておきます。
理解できなくても楽しめます
詳しく、やさしい解説とはいっても難易度の高い遺伝学。
ですから、どうしても理解しがたい部分もあることでしょう。
そんなときは割り切って、猫の写真集だと思って楽しむこともできます。
遺伝学的に11パターンに分類された猫たちの写真は、どれも魅力満点!
完全に遺伝子のことがわからなくても、「へぇ~、そうなんだ」ぐらいの軽い気持ちで読んでも十分だと思います。
フローチャートで安心の分類
本の中には、猫の模様の見た目から「はい」、「いいえ」で答えていけば、主な遺伝子がわかるフローチャートも掲載されています。
このチャートを使えば、その猫が11パターンのどれに当てはまるのかが簡単にわかるので、とても便利。
このチャートさえあれば、見る人によって「あれはキジ猫」、「いいや、サビ猫でしょ」なんていう微妙な意見の違いも発生しません。
一般のご家庭はもちろん、猫をたくさん扱うような保護施設やボランティアをされているような方は、一冊持っていると重宝するのではないでしょうか。
まとめ