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ペットのお薬疑問あるあるを解決!【ちゃんと知りたいペットのお薬のこと】

 

パル
今回は【ちゃんと知りたいペットのお薬のこと】を紹介するよ


ポポ
薬ってよくわからないことが多いから、勉強は大切ね

 

飼い主ならば、可愛いペットにはいつまでも元気でいてほしいと誰しもが願うことでしょう。

しかし、いくら気をつけて生活していても、時には病気やケガなどで医療のお世話になることもあります。

そんなときに欠かせないのがお薬ですが、このように思ったことはありませんか?

 

「もうそろそろ治ってきたから、お薬を飲ませなくてもいいんじゃないかな?」

「前にも同じような症状だったから、余っている薬をあげてみようかな…」

薬は身近で便利なものですが、扱いを間違えたがゆえにかえってペットの病気を悪化させたり、健康を損ねてしまう可能性があるのをご存じでしょうか。
そのような残念な事態に陥らないためには、薬に関する基本的な知識が必要となります。
そこで今回ご紹介するのが【ちゃんと知りたいペットのお薬のこと】という本です。

 

早速どんな本なのか、見ていきましょう!

 

こんな方におすすめ
  • ペットをはじめて飼う人
  • 薬のあげかた、やめかたなどに疑問がある人
  • 病院では薬のことを聞きづらい人

著者はどんな人?

【ちゃんと知りたいペットのお薬のこと】は、3人の専門家によって執筆されています。

 

1人目は、獣医師で、日本獣医生命科学大学教授の金田 剛治 先生。

大学では薬理学の研究・教育をされており、本書では監修と治療薬に関する章の執筆を担当しています。

 

2人目は、金田 寿子 先生。

はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師の資格をお持ちであり、ヒトだけではなく動物に関する生体構造や機能について幅広い知識をお持ちで、現在は順天堂大学大学院医学研究科解剖学・生体構造科学講座の助教でいらっしゃいます。

本書では、薬のしくみや服薬に関する章を執筆されています。

 

3人目は、獣医師の山口 登志宏 先生。

ぺテモ動物病院亀戸で日々、診療にあたられており、本書では予防医療(ワクチン、フィラリア症予防、ノミダニ駆除)に関する章の執筆を担当されています。

ポイント① 薬のことを体系的に学べる

私が本書を読みながらまず思ったのは、「学生時代に読んだ薬理学の教科書の概論に似ているなぁ」ということ。

それもそのはず、監修者の金田 剛治 先生がまえがきでこのように書かれています。

 

本書は、わたしが獣医師として経験し、大学で講義している内容を中心に飼い主向けにまとめています。

治療に使用されるひとつひとつの薬を取り上げてお話しするのではなく、「薬と治療・予防の関係」を少し詳しく、かつ分かりやすくお伝えしています。

飼い主の皆さんが獣医師から聞けなかった薬のしくみや考え方について理解し、薬に関する疑問を動物病院でスムーズに質問できる力添えになればと思います。

ペットのお薬のこと
インターネットが発達した現在、情報収集するのは本当に簡単になりました。
しかし、それと同時にその情報が本当に正しいのか判断する能力が必要になり、たくさんの情報から自分が必要なものを取捨選択することも求められます。
また、これらの情報はバラバラとしており、統一性がなないため、まとまった知識を習得するのは難しい面があります。

 

インターネットは便利ではありますし、私も毎日使っています。
しかし、薬のような命にかかわるものについてはインターネットだけではなく、このような書籍で基本から学ぶというのは大切だと思います。
やはり正しい知識を系統だって学ぶには、インターネットよりも書籍のほうが分があるといえるでしょう。

 

【ちゃんと知りたいペットのお薬のこと】では、薬の扱いや考え方の基本のキから解説されており、順序だって進んでいくのでしっかりと学んでいくことができます

ポイント② 薬の疑問あるあるを網羅

大学で獣医学を学ぶ前は、薬はもちろん、ワクチンについてですら私はわかっていませんでした。

予防接種? 混合ワクチン? 狂犬病?

どれがなんだか、どういうことだかよくわかっておらず、愛犬がお世話になっていた動物病院で頓珍漢な質問やお願いをして、今思えば随分と迷惑をかけたものです。

ですから、飼い主さんが薬やワクチンについて疑問・質問があるのは、よく気持ちがわかります。

 

しかし、動物病院スタッフは大忙しで、大きな病気やケガでなければじっくりと話をする時間を設けるのが難しいことが多々あります。

飼い主さんとしても、よくわからないことがあって聞きたいけれど、スタッフは忙しそうにしているし、こんなこと質問したら嫌がられそうと遠慮してしまいますよね。

 

そんなときに読んでほしいのが【ちゃんと知りたいペットのお薬のこと】です。

薬について飼い主さんからよく聞かれる質問について、ほぼ網羅されています

 

【ちゃんと知りたいペットのお薬のこと】は全3章で構成されていて、各章はこのような内容になっています。

●第1章 投薬のこと

●第2章 予防薬のこと

●第3章 治療薬のこと

 

第1章では薬の基本を学び、第2章と第3章は少し発展して、予防薬や治療薬について解説しています。

各章の内容がどのようなものか、さらに詳しく見ていきましょう!

●第1章 投薬のこと

・動物病院で薬を処方するときにはどんなことを説明してくれるの?

・いろんな投薬方法があるのはなぜ?

・調剤は自宅でもできる?

・投薬のタイミングが決まっているのはなぜ?

・薬を嫌がるときはどうすればいい?

・自宅ではどうやって投薬すればいい?

第1章は、投薬についての解説が主になっています。

基本的な内容ですが、医学・薬学を勉強していなければ案外と知らないことも多いと思います。

地味な内容なので飛ばして読みたくなってしまうかもしれませんが、この章の内容を知っておくと、動物病院で薬を処方されたときに理解がスムーズにいくので必ず読んでほしいですね。

 

●第2章 予防薬のこと

・ワクチン接種でどうやって感染症を防ぐの?

・ワクチンで予防する必要があるのはどんな病気?

・ワクチンの副反応が怖いけど、接種したほうがいい?

・なぜワクチンは毎年接種するの?

・フィラリア症の予防ってどういうしくみ?

・フィラリア症予防薬を飲み忘れたらどうすればいい?

・ノミダニ駆除薬はどれを選べばいいの?

・ノミダニ駆除、しなくても大丈夫?

・他の子と違う予防薬を処方されるのはなぜ?

・海外と日本で予防薬の扱い方が違うって本当?

・どの予防を行うかは自分で選べる?

・室内飼育なら予防はいらない?

第2章は予防薬の解説で、主にワクチン、フィラリア症予防、ノミダニ駆除について説明されています。
これらは健康なペットにも必要なので、すべての飼い主さんに必読の内容となっております。
実際、私が飼い主さんと話をするなかで圧倒的に質問されるのは、ワクチンやフィラリア症予防のことですね。
この章を読めば、これらに関する大概のお悩みは解消されることと思います。

 

 

●第3章 治療薬のこと

・副作用?副効果?ってどういう意味?

・処方される薬は動物病院によって違う?

・前に処方された薬を使って大丈夫?

・なぜ定期的に投薬するの?

・動物病院では人用の薬を処方しているって本当?

・時間がないときは2回分まとめて投薬しても大丈夫?

・薬を投与している期間に、自分で購入したサプリメントをあげても大丈夫?

・薬よりもサプリメントで治療したほうが安全?

・日本より獣医学の進んでいる欧米の薬のほうが安心?

・海外の薬を自分で輸入して使用しても大丈夫?

・ジェネリック医薬品と先発医薬品って何が違うの?

・飼い主が感染症にかかったら、同居するペットも治療が必要?

・ペットが感染症にかかったら、飼い主も予防や治療が必要?

第3章は、治療薬についてです。
この章もまた、飼い主さんからよく聞かれるあるあるについてしっかり書かれています。

 

薬の基本に関する本にもかかわらず、「薬の個人輸入」や「新型コロナ」などの現代ならではのお悩みにも追及されているのはさすがだと思いました。

ポイント③ QRコードで動画が見られる

インターネットが普及してよかったなと私が思うことの1つに、プロの技や話がいつでもどこでも手に入るようになったことが挙げられます。
昔は高いお金を払って習いに行っていたようなことでも、ちょっとスマホでググれば、業界のプロたちが惜しげもなくそのスキルを披露してくれていますよね。

 

【ちゃんと知りたいペットのお薬のこと】では、QRコードを使って動画が見られるようになっているのですが、地味ながら実にありがたいです。

 

動画は全部で11本。

内容は、このようになっています。

・錠剤の与え方 犬の場合
・錠剤の与え方 猫の場合
・粉薬の与え方(液体に溶かして投薬する場合) 犬の場合
・粉薬の与え方(液体に溶かして投薬する場合) 猫の場合
・皮下注射のしかた(皮下点滴の場合)
・点眼液の差し方 犬の場合
・点眼液の差し方 猫の場合
・眼軟膏の塗り方 犬の場合
・眼軟膏の塗り方 猫の場合
・点耳薬の差し方 犬の場合
・点耳薬の差し方 猫の場合
家で行う基本的な投薬法は、カバーされています。
各動画は30秒ほどと短いのですが、犬と猫にわかれているのが◎。
動物の扱いに慣れた方が投薬しているので、正直なところ、動きが素早すぎて若干わかりづらいと感じる部分もあります。

 

ただ、複数のアングルで撮影してくれているので、何度も繰り返し見ることによって、動きのコツをつかむことができると思います。

 

嫌がる場合の対処法などもあったりするので、これもありがたいですね。

注意点 

ポイント①で引用した金田 剛治 先生のコメントにもあるように、【ちゃんと知りたいペットのお薬のこと】は個々の薬について解説するのを目的にした本ではありません。

ですから、「病院からもらってきた薬の作用や副作用について調べたい」というような目的には適していません。

 

では、「薬について調べたいときはどうしたらいいの?」という話になるのですが、残念なことに、飼い主さん向けの個々の薬について解説された本が現状なかなかないのです。

 

【もっともくわしい動物の薬の本】という本があり、飼い主さん向けとしてオススメではあるのですが、現在は中古でしか手に入りません。

また、2008年出版の本なので、近年に出てきた薬については載っていないという最大のデメリットがあります。

 

「いや、最新の薬を本気で調べたい」という方はどうしたらいいのか?

そのような方には、【犬と猫の治療薬ガイド2023】をオススメします。

この本は、動物病院で獣医師が使うような専門家のための本です。
5年ぶりに内容を大改訂したため、最新情報満載、薬に関しては載っていない情報はないはずです。
しかし、専門家向けの本なので、お値段が可愛くなさすぎるのが大問題であります。
私個人の希望としては、【もっともくわしい動物の薬の本】の改訂版の出版をお願いしたいところですね。

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まとめ

いかがだったでしょうか?

【ちゃんと知りたいペットのお薬のこと】は、一見すると地味な本ですが、ペットと暮らすうえでなくてはならない薬のことを基本からしっかりと学べる本となっています。

ペットを初めて飼う人はもちろんのこと、ペットと長年暮らしている人でも案外と知らないことが書かれていて勉強になることと思います。

 

ご興味のある方はぜひご一読ください!

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