今回は、愛猫家の心にしみる、猫との日常を描いたエッセイ集、【猫は、うれしかったことしか覚えていない】をご紹介します。
- 猫が出てくる話が好き
- 猫との日常を大切にしたいと思っている
- ミロコマチコさんの絵のファン!
猫は、うれしかったことしか覚えていない(幻冬舎)
著者の石黒由紀子さんは、エッセイスト。
日々の暮らしや犬猫のことを中心に執筆されています。
猫にまつわる59のショートストーリー
【猫は、うれしかったことしか覚えていない】は、石黒さんの家に暮らす猫を中心に描かれるエッセイです。
猫の名前は、コウハイ。
長毛雑種の男のコで、6歳。
不思議な名前なのですが、石黒さんちにはセンパイという名の柴犬が先住でいたため、その後輩として名前がついたようです。
ネーミングセンスが秀逸すぎて尊敬します。
「猫は、」というタイトルで始まる、59のショートストーリーは、どれも猫と暮らしている人なら共感できる話ばかりです。
ハッとさせられたり、「うん、うん、わかる」と納得してみたり、「そうだなぁ」と考えさせられたり。
猫の日常をよく観察し、ユーモアと豊かな表現力で魅力的に綴った文章はついつい惹きこまれてしまいます。
どの話も含蓄に富んでいるのですが、押しつけがましくなく、ふわりと軽やか。
リラックスしたいとき、眠る前の一時に丁度いいお話がいっぱいです。
猫から学ぶ人間の在り方
冒頭の「はじめに」で、石黒さんはこのように書かれています。
「うちの猫がね・・・・・・」、コウハイと暮らす前は、愛猫家たちの話も少し退屈でした。
しかし、今では、どの話もしみじみと沁みるのです。
単純で、どこも大差なく見える猫と人との生活も、それぞれに個性があり、決まりごとがあり、抱える問題もあり。
丸い背中で意志を示し、行動で語る猫たち・・・・・・。
話を聞きながら、私は思い込みを手放すヒントをたくさんもらいました。
猫は、うれしかったことしか覚えていない
【猫は、うれしかったことしか覚えていない】では、石黒さんが猫たちとの暮らしを通して気づいた心の在り方、生き方などの気づきが綴られています。
話を読みながら、自分の家の猫との生活を振り返ってみたり、そこから学ぶことができるのではないかと考えてみたりするきっかけになるのではないでしょうか。
ミロコマチコさんの絵がいっぱい
何といってもこの本でインパクトを与えているのは、ミロコマチコさんが描く猫たちの絵。
表紙のカラフルな猫たちはどのコも躍動感にあふれ、活き活き。
ありえない色や姿をしているのに、それでもきちんと猫だとわかるのだからスゴイです。
本のなかにもたくさんの猫たちの挿絵があるのですが、ほっこり、くすっと笑えるものばかり。
「猫がお好きなんだろうな」とわかる絵に和みます。
ダイナミックで生命の勢いが感じられるミロコマチコさんの絵を見ていると、童心に戻り、思いっきり絵を楽しんでみたい気持ちになってきました。
まとめ
【猫は、うれしかったことしか覚えていない】は、猫との毎日がさらに愛おしくなる本です。
ゆっくりと味わいながら、楽しんでみませんか?