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世紀を超えてもいまだ魅力が色あせない近未来SF小説【夏への扉】

今回ご紹介するのは、こちら!


こんな方におすすめ
  • SF小説が好き
  • 猫が登場する小説を読みたい
  • 映画の原作に興味がある

SF小説界の巨星

著者であるロバート・A・ハインラインは、SF界の黄金時代をリードしつづけた大作家です。

1939年にデビューして以降、多くの作品を世に生み出しました。

『宇宙の戦士』、『月は無慈悲な夜の女王』などの4作品がヒューゴ賞に輝き、また『地球の緑の丘』などの未来史シリーズなどをはじめ、つねに時代を一歩先行くような数々の作品は読者の心を惹きつけました。

 

なかでも今回ご紹介する『夏への扉』は、未来小説の最高傑作とされ、1956年に発表されてから50年以上たった今なお、ミステリファンやSFファンから愛され続けています。

どんな作品?

一言で述べるならば、近未来SFです。

 

主人公は、ダニエル・ブーン・デイヴィス、通称ダニー。

発明家、エンジニアである彼は、愛するオス猫のピートともに暮らしながら、発明にいそしんでいました。

仕事もプライベートも順風満帆と思っていた矢先、彼を待ち受けていたのは・・・。

そして、心に傷を負ったダニーはネオン看板に引き寄せられ、長期低体温法睡眠を申し込むことに・・・。

 

という、ところから物語は始まります。

 

そこからめまぐるしく展開するストーリー。

最後まで怒涛の勢いで進んでいきます。

 

作品が発表されてから50年以上もたっていますが、ハインラインによる想像力豊かで科学的世界観は今読んでも決して古臭くありません。

 

THE王道という物語の展開ではありますが、その世界に入り込んでダニーと一緒に悩んだり、怒ったりしてみるもよし、過去の想像であるこの作品とその未来である私たちの生活を比較するのもよし。

色々な楽しみ方があると思います。

 

SFではありますが、作品の根底にハインラインの人間への信頼、未来への希望が感じられる作品は、多くの人に愛され続けているのも納得です。

 

猫好きとしては、もっとピートに活躍してほしかったですけれど…。

 

一度読みだしたら止まらないこと請け合いです。

私は一日で読み切れずに寝たら、続きが気になりすぎたのか、夢にまで見てしまいました・・・。

どの翻訳がお好み?

『夏への扉』は、ミステリーとSFで有名な早川文庫から出ています。

ロングセラーのため、色々と変化をしながら出版され続けており、調べたところによると、現在手に入るのは3種類あるようです。

 

私が読んだのは、2009年に出版された小尾芙佐さん訳の新訳版。

 

2010年には初代訳者の福島正実さんの本が表紙が変わり、登場。

そして、2020年には福島正実さんの訳をベースに、訳語や表現が時代に合わせてアップデートされたものが装いも新たに登場。
表紙のイラストがとてもステキです!

 

本によって表現が異なるようですので、ご自分が読みやすいものを選んでみたり、何冊か読んで訳し方の違いを楽しんでみたりというのも良さそうですね。

映画化されます

疎くて知らなかったのですが、どうやらこの『夏への扉』は映画化されるのですね。

このブックレビューを書くにあたり、ネット調べていて初めて知りました…。

 

読み終わったとき、「もしこの作品が映像化されたらどんな感じかな~」なんて思ったのですが、まさか既に具現化しているとは。

 

当然ながら時代設定なども違いますし、登場人物の設定なども変わっているようですが、これはこれで面白そうです。

とりあえず、ピート役の猫ちゃんが激カワです。

まとめ

古典でありながら、未だ色あせない魅力を持ったロバート・A・ハインラインの『夏への扉』。
SF小説が好きな方はもちろん、映画化されるにあたり興味を持った方にもおススメです。
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