ルーニー
今回は【猫との暮らしが変わる遊びのレシピ】を紹介するよ
リンク
ポポ
私、遊ぶの大好き♪
「猫にしつけをしましょう」
そう言われたら、何と答えますか?
え、猫にしつけ?無理でしょ。
しつけなんてしたら、せっかくの猫の魅力がなくなっちゃう。
とっさにそう答えてしまいませんか。
そのような方、ご安心ください。
猫の魅力を損なうどころか、遊びとしてトレーニングをすることで、猫の可愛さを更にアップさせながらしつけをする方法があるのです。
その方法を教えてくれるのが、今回ご紹介する【猫との暮らしが変わる遊びのレシピ】です。
こんな方におすすめ
- 猫との遊びをワンランクアップさせてみたい
- 猫との新たなコミュニケーションにチャレンジしたい
- 生活に役立つしつけを猫に教えたい
目次
猫との暮らしが変わる遊びのレシピ( 誠文堂新光社)
猫と動物行動学専門家のタッグ
【猫との暮らしが変わる遊びのレシピ】は二人の著者による共著となっています。
トレーニングなどのメインを執筆担当されているのは、坂崎 清歌さん。
キャットインストラクターとして、教室 「Happy Cat」を主宰されています。
教室では、猫とのコミュニケーション、健康管理、生活の質(QOL)の向上、 ストレス軽減を目的としたトレーニングなどを提案するなど、ご活躍中です。
もう一人の著者である青木 愛弓さんは、動物の行動コンサルタント。
応用行動分析学に基づき、動物園や水族館、 家庭で暮らす動物の生活の質(QOL)を向上させる取り組みをサポートされているそうです。
本書では、Mini Lectureのコーナーを執筆しています。
遊びが大事
猫が好きな人は、猫の自由さ、マイペースさに魅力を感じていることでしょう。
そのような猫に対してトレーニングをしたり、芸を教えるということは、猫本来の魅力を損なうのではないかと嫌厭したくなるかもしれません。
しかし、その一方でしつけの必要性を感じている方も多いのではないでしょうか。
放っておくとシャキーンと尖ってくる爪を寝ている隙をつくことなく堂々と切りたい。
具合が悪い猫を無理やり押さえつけてケージに入れて動物病院に連れて行くのはかわいそう。
健康のためには歯も大事。できれば歯磨きをしてあげたい。
愛猫のことを考えれば、このような生活や健康にかかわるしつけ(ハズバンダリートレーニング)はしたいところです。
しかし、その前段階としての遊びのようなトレーニングこそが大事だと著者のお二人は説きます。
あるとき、猫とトレーニングする、ということを知りました。
はじめはいわゆる「芸」と呼ばれるようなことを猫にさせるトレーニングをしました。
「そんなことはしたくない」と思われる猫好きさんは多いかと思います。
でも「そんなこと」だからやる意味があるのです。
実際にさまざまなケアを猫に嫌がらないで受け入れてもらうためのトレーニングはやはり少し難しいので、この本でも後半で紹介しています。
何かを上手になるためには、練習が必要です。
「そんなこと」から練習することで、万が一上手にできなくて失敗に終わっても誰も嫌な思いをしません。
猫はおやつをもらえるだけですし、あなたはそのレシピをやめて、ほかのレシピの取り組めばいいだけです。
また何事も「そんなこと」という基礎訓練が必要です。
(途中省略)
ひとつずつ猫と楽しみながらコミュニケーションを取れるようになっていった先が、後半に出てくるハズバンダリートレーニングです。
猫との暮らしが変わる遊びのレシピ
芸のようなものは教えたくないけれど、ハズトレ「なら」やってみたいと考えている場合は、挫折するか、猫に負担を強いるかのどちらかに転ぶ可能性が大きいでしょう。
ハズトレは、猫に教えるスキルがある程度必要で、加えて失敗は最小に留めておきたいからです。
猫との暮らしが変わる遊びのレシピ
これは実に耳の痛いお話。
私が飼い主さんとお話しする際に、獣医療の立場からついついハズバンダリートレーニング(以下、ハズトレ)の重要性ばかり話してしまい、その前段階の遊びという点にはほとんど触れることがありませんでした。
「ストレスをかけないようにしてくださいね」、「ごほうびとセットでやってくださいね」とは言っていましたが、その前の猫との信頼関係を作る遊びや芸のような訓練が大事なのだということがよくわかり、反省しきりです。
科学的に猫と遊ぶ
『しつけ』というと、「無理やり」とか「我慢」というイメージがあるかもしれません。ひどい場合には体罰も…。
NO!NO! それは誤解です。
一昔前とは打って変わり、動物の習性、行動や心理を科学的に分析し、それを応用するのが現在主流のしつけの方法。
しつけは体罰や苦しいものではなく、動物にとってむしろ楽しいものに変わってきているのです。
いかに動物にストレスを与えずに、楽しみながら目的の行動をさせたり、なくしたりさせたりできるかが腕の見せ所といえるでしょう。
【猫との暮らしが変わる遊びのレシピ】も、そのような猫を観察し科学的にアプローチをすることで、ゲームをするような感覚でのトレーニングとなっています。
ですから、気まぐれ自由な猫の魅力を損なうことなく、ひとも猫も楽しみながら、しつけをすることができるのです。
本書は全部で7つの章から構成されています。
Part.1 猫と遊ぶための準備編
Part.2 猫との絆を強くする小さなふれあい編
Part.3 猫の心と体を健康にする小さなエクササイズ編
Part.4 猫と過ごすゆったりタイムのお楽しみ編
Part.5 目指せ長寿猫!健康管理も遊んで楽しく編
Part.6 いざというときのためにも遊んで備える編
Part.7 猫との遊びに関するQ&Aとまとめの編
順を追ってトレーニングレベルが上がるようになっています。
ハズトレ部分の『Part.5目指せ長寿猫!健康管理も遊んで楽しく編』、『Part.6いざというときのためにも遊んで備える編』を目指しながら、コツコツ楽しみたいですね。
各章の末尾に応用行動分析学に基づいたMini Lectureのコーナーもあり、大変に勉強になりますので、こちらもお見逃しなく!
アイテムは3つだけ
トレーニングというとあれもこれも道具が必要そうですが、本書で使うアイテムはたったの3つ。
①クリッカー
②ターゲット棒
③おやつ
本の中で詳しく解説されていますが、どんなものかさらっとご紹介します。
①クリッカー
初めて名前を聞く方もいるかもしれませんね。
『クリッカー』とは、しつけ・訓練をするときに用いられる道具で、文字通り「クリック」して使います。
手のひらに収まるようなサイズのプラスチック製のものが一般的。
ボタンがついていて、それを押す(クリック)すると、「カチッ」と音が鳴るような仕組みです。
インターネットやペットショップで500円~1000円程度で入手することができます。
本書の中では、『ノック式ボールペンや舌クリックでも可能ではあるけれど、できれば購入するとよい』とされています。
②ターゲット棒
これもあまり耳にしない言葉ですね。
猫が行動するときのヒントとなる棒状のものを『ターゲット棒』と呼んでいます。
指で猫を誘導してもよいのですが、興奮した猫が指にガブリという恐れもなきにしもあらずなので、あった方が安全にトレーニングできそうです。
このターゲット棒は、専門的な道具でなくとも、家にある割りばし、ストロー、マドラー、壊れてしまったおもちゃの棒部分で構わないということのなので、用意は難しくないでしょう。
③おやつ
しつけ・トレーニングに欠かせないのが、ごほうびとなる『おやつ』。
これのあげ方が重要です。
猫がよろこぶ姿があまりにも可愛くて、おやつをあげていたら太ってしまったというのは笑えないお話。
本の中でもしっかり説明がされていますが、健康管理をしながら上手にトレーニングをしたいですね。
まとめ
猫との遊びで毎日の生活に潤いを!
特別な場所に行かなくても自宅でいつでも挑戦でき、猫にもひとにも楽しみのひとつとなるトレーニング。
「ねこにしつけ?」と思う方も、「ハズトレをしなきゃ!」とシャカリキになって挫折した方も、この本を読めば楽しくゆるくトレーニングしたくなることと思います。
リンク