キャシー
今回は【犬もよろこぶシニア犬生活】をご紹介します
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僕たち犬も、飼い主さんも笑顔でいられるようなシニア犬の生活って
どういう風にしたらいいのか気になるね!
食事や飼育環境の改善、動物医療の発展とともに犬の寿命はここ数十年で大きく伸びました。
そのため、犬もシニアと呼ばれる高齢で過ごす時間が増え、飼い主さんもそれに合わせたケアや介護をする必要が出てきています。
しかし、いざ実践してみると想像以上に体力的、経済的に大変だったりするものの、生活の悩みは動物病院では相談しづらく、困っている方も多いのではないでしょうか。
そのような方におススメなのが、今回ご紹介する【犬もよろこぶシニア犬生活】です。
シニア期に入ったばかりのご家庭から介護生活まっただ中のご家庭まで、シニア犬・老犬と暮らしているすべての飼い主さんにおすすめできる一冊です。
こんな方におすすめ
- シニア犬を介護しているが、方法がよくわからない
- シニア犬の生活をよりよくするための工夫を知りたい
- そろそろペットがシニアになろうとしているが、これから先が不安だ
監修はシニア犬のケア専門獣医師
【犬もよろこぶシニア犬生活】の監修は、『キュティア老犬クリニック』の獣医師・佐々木彩子先生。
神奈川県横浜市にあるキュティア老犬クリニックは、シニア犬のケアを専門に行う動物病院の先駆けとして有名です。
雑誌などのメディアにもたびたび取り上げられているので、ご存じの方も多いと思います。
鍼灸や漢方などの東洋医学に基づく治療、生体などをはじめとした、動物の体にやさしい医療が魅力的な動物病院なのです。
おすすめポイント① 予防から寝たきりまで幅広く
【】は、7章から構成されています。
第1章 いつからシニア犬?
第2章 犬の大好きな「食う」「寝る」「遊ぶ」を満たしてあげよう
第3章 寝込まない体づくり
第4章 いますぐできる毎日のおうちケア
第5章 寝たきりになったら
第6章 痴ほうかな?と感じたら
第7章 シニア犬がかかりやすい病気について
第1章 いつからシニア犬?
『第1章 いつからシニア犬?』は、シニア期に起こる変化についての章です。
体、心、行動の変化に分け、それぞれ説明しています。
第2章 犬の大好きな「食う」「寝る」「遊ぶ」を満たしてあげよう
『第2章 犬の大好きな「食う」「寝る」「遊ぶ」を満たしてあげよう』は、犬の基本的な欲求である食事、睡眠、遊びについての章。
私が飼い主さんからもよく聞かれる質問の答えがズバリ載っています!
第3章 寝込まない体づくり
『第3章 寝込まない体づくり』は、寝たきり状態になるのを少しでも遅らせるためのアイディアがつまった章です。
内容は、ご覧のとおり。
・おうちや散歩でできる筋力トレーニング
・車いすを使ったリハビリ
・足腰が弱ったときのハーネスを使った介助の仕方
・温シップ
・ストレッチ
実に充実した内容となっております。
車いすはちょっとお値段が高いので挑戦するのにハードルが高いですが、それ以外のものは無料もしくは手頃な値段でできるものばかり。
ちょっと衰えを感じはじめたワンちゃんにはぜひ取り組んでいただきたいです!
第4章 いますぐできる毎日のおうちケア
『第4章 いますぐできる毎日のおうちケア』は、飼い主さんがおうちでできるケアについての章です。
内容は、以下のとおりとなっています。
・室内環境のポイント
・体のケアの方法
・犬の抱きかかえ方
・お風呂の入れ方
・排泄介助の仕方
・便秘対策
・薬のあげ方
・マッサージ方法
私がいいなと思ったのは、『犬の抱きかかえ方』、『お風呂の入れ方』のコーナーです。
犬が年を重ねると何かと抱きかかえる機会が増えるのですが、誤った姿勢で行うと飼い主さんが腰を痛めてしまうなどの悲劇がしばしば起こります。
『犬の抱きかかえ方』では、腰を痛めないための抱き方の方法やNGな抱っこの仕方に加え、犬の大きさ別の抱き方のコツをそれぞれ伝授!
ひとえに犬といっても、大きさや体形によって気を付けるポイントは違うので、これはありがたいですね!
それから、『お風呂の入れ方』のコーナーもとても便利。
なかなか動物病院では質問しにくい内容なのではないかと思うのですが、便利グッズや気を付ける点がしっかり書かれているので、すごくわかりやすいです。
歩けるコ、立っていられないコ、寝込んだコ、寝たきりのコとパターンが分かれていて、それぞれ解説されています。
第5章 寝たきりになったら
『第5章 寝たきりになったら』は、いよいよ寝たきりになってしまったときのための章。
介護のポイントや床ずれ防止対策、寝返りのうたせ方、食事の介助方法などが載っています。
第6章 痴ほうかな?と感じたら
『第6章 痴ほうかな?と感じたら』は、シニア犬で問題になりがちな痴ほうについての章です。
犬が痴ほうになると想像以上に生活が大変になり、飼い主さんを悩ませます。
この章は、犬が認知症になったときに起きる、そのような困った行動の対策や注意点が満載です。
現在、愛犬が認知症で悩んでいる方はもちろん、認知症でなくても役に立つ情報が載っていますので、ぜひ目を通してみてくださいね。
第7章 シニア犬がかかりやすい病気について
『第7章 シニア犬がかかりやすい病気について』は、シニア期になったら注意したい病気がテーマの章です。
犬種別のかかりやすい病気のチェック表、愛犬の危険度を知るためのチェック表6つなどがあります。
病気についての詳しい説明については載っていませんので、チェック表で気になる病気が該当した場合は別の本で調べてみるとよいでしょう。
また、病気以外のこととして、最期の日を迎えるまでにしておきたい準備についての説明もあります。
おすすめポイント①で見ていただいたように、内容がとっても豊富な【】なのですが、なんといってもすごいのが、フルカラーの写真やイラストがたくさんなところです。
特に、介助のような作業の仕方を説明するコーナーでは、この写真がとてもありがたい。
工程ごとに写真があるので、文字だけで説明されている本よりもイメージがしやすくなっています。
とにかく写真が惜しみなく使われているので、説明の文字がやや小さめになっていますが、それは致し方がないですね。
文章にも大事なことがびっしりと書かれているので、しっかりと読み込みたいところです。
おすすめポイント③ ほかのコンテンツも魅力的
【】の魅力は、実用的な情報だけではなく、ほかのコンテンツも充実しているところ。
いいなと思ったのは、介護をしている飼い主さんの体験談が7つ掲載されていることです。
介護生活というのは終わりが見えず、相談する相手もなかなかおらず、とかく不安になったり、孤独を感じたりしがちではないでしょうか。
そのような介護を経験した先輩飼い主さんの体験談を知ることは参考になるだけではなく、「自分だけではない」と励みになると思います。
また、個人的には『絵心ゼロでも上手に描ける 愛犬の似顔絵教室』というコーナーも嬉しかったですね。
カラフルな動物の絵や人物などの絵が人気の画家・長友心平さんが監修しています。
写真をベースに絵を描くので、お絵かきに自信がない人でもアーティスティックに仕上がるようになっています。
介護生活の合間にお絵かきをして、気分転換できるといいですね。
まとめ
【犬もよろこぶシニア犬生活】は豊富な情報量でありながら、『あくまでもアドバイス』というスタンスで書かれているので、押しつけがましさがなく、読んでいて優しい気持ちになり、愛犬のためにもう少し頑張ってみようかなと励まされる気がします。
愛犬が年をとってきて困ることが増えてきたな。
でも病気ではないから動物病院ではどうしたらいいのかを相談しづらい。
そんな風にお困りの飼い主さんはもちろんのこと、これからシニア期を迎えるご家庭の方にも一度目を通していただきたい本です。
隅から隅まで目を通せば、シニア期に入った頃から最期の看取りまでに湧き出てくる、シニア犬との生活の疑問、トラブルの解決のためのヒントがたっぷり。
愛犬家の方はもちろん、獣医師や動物看護師を目指す学生さん、トリマーさんなどの勉強にも役立つ【犬もよろこぶシニア犬生活】。
ご興味のある方は一度手に取ってみてくださいね。