注目されてるわよね
- 日常だけでなく、有事にも使える掃除、片づけ力が知りたい
- 小手先ではない整理整頓力を身につけたい
- 自衛隊のスキルに興味がある
元自衛隊員な掃除会社社長
著者は元自衛隊員(正式名は自衛官と呼ぶそう)で、現在は掃除、片づけを行う会社の社長である畠山大樹さん。
陸上自衛隊の第一空挺団に3年間所属していたそうです。
空挺団は、空を飛ぶ航空機からパラシュートを使って降下し、目的地に潜入することが任務であり、数多ある自衛隊の中でも精鋭部隊といわれているとのこと。
そこでの訓練の厳しさは、一般人の想像を超えるものに違いありません。
自衛隊を退官した後、畠山さんはその自衛隊員として過ごした中で身につけた整理整頓力を生かし、清掃会社『お掃除レンジャー』を起業。
お若いながらもバイタリティに溢れ、さすがという感じです。
会社の名前も自衛隊を彷彿とさせるもので、ユニークですね。
有事、災害を意識した整理整頓
空前絶後の片づけ、掃除ブームの昨今、関連本は星の数ほど出版されています。
これまで断捨離、ときめき、ミニマリストのような本を読んできた人も多いのではないでしょうか。
ご多分に漏れず、私も片づけ本を読み漁った一人です。(現在も進行形)
そのような本と本書が少し趣が異なる点は、有事、災害をいかに乗り切るかということに踏み込んでいる点。
自衛隊視点からの片づけというわけですね。
安心、安全を意識した整理整頓をすることで、おのずと部屋がきれいになっていくというわけです。
物を可能な限り減らして安全かつ暮らしやすい家をつくるというのが基本的なことなので、ある意味ミニマリスト的ともいえるかもしれません。
ですから、美しくオシャレなインテリアを目指す人にはちょっと方向性が違うかなという内容ですが、家は見た目だけでなく安全な住処としての機能をしっかりさせなければという意識を持たせてくれるので、読んでみて損はないと思います。
体得し、ルーティン化せよ
本書は片づけの本ではありますが、本当に皆さんに身につけてほしいのは、掃除のやり方や手順よりも、それを習慣化する方法です。
片づけを毎日の生活の中でルーティン化することのほうが、やり方や手順よりもはるかに大切なのです。
自衛隊式片づけ術
掃除は身体のメンテナンスになる
掃除・片づけを隅から隅まで行うと、運動と同様の効果が得られ、身体のメンテナンス、ダイエットにもつながると畠山さん。
確かに雑巾を使って窓ふき、床ふきをすると、凝り固まった肩や背中の筋肉を使いますし、一生懸命やると汗をじわっとかくのは私も体験済みです。
部屋がきれいになって、ついでに運動にもなるなら一石二鳥。
ただ、ダラダラ手先でやっていたら運動効果もないでしょうから、身体を使うという意識が大切ですね。
推奨する掃除のウェアも徹底しており、ジャージやスウェットなどの動きやすい服装がよいとのことです。
日々の掃除のためにジャージに着替えるのはちょっと私にはハードルが高そうだなと思いましたが、感心したのは髪の毛一本も残さないために帽子やバンダナで髪の毛を覆うという点。
考えてみれば、昭和の女性が家事をするときは手拭いでほっかむりをしていました。
自分自身にほこりやゴミがつかない工夫であるとともに、髪の毛を落とさないという配慮にもなっていたのかもしれません。
髪の毛一つも見逃さない、そのような姿勢、心意気が大事なのですね。
また、身体を意識して掃除や片づけを日々行うことで、「あれ、今日はちょっと掃除がしんどいな」とか「同じ作業をしているのに時間がかかったのは太ったせいかも」と自分のコンディションを知る機会にもなると畠山さんは言っておられます。
確かに、脂肪という洋服を重ね着していると動くのも億劫になりますし、動きも緩慢。
体調がすぐれないときは体の動きも精彩を欠き、ルーティンワークも時間がかかりがちに。
そう考えてみると、今日の自分の状態を知るためのツールとして片づけ・掃除は面白いかもしれません。
このように片づけや掃除をすることで身体を毎日整え、状態を把握することが大切で、それが究極には有事に生き残るための一助になるというのだから、掃除道も奥深いです。
まとめ