犬の問題行動を根本から考える【❝動物の精神科医❞が教える犬の咬みグセ解決塾】

キャシー
今回は、【❝動物の精神科医❞が教える犬の咬みグセ解決塾】を紹介します


パル
❝動物の精神科医❞ってどんな人だろう?
気になるね!

楽しいはずの犬との暮らしはなにかとトラブルが付き物。

犬の困った行動に怒ってみたり、落ち込んだりする前に読んでいただきたいのが、今回ご紹介する【❝動物の精神科医❞が教える犬の咬みグセ解決塾】です。

こんな方におすすめ
  • 犬に問題行動があり悩んでいる
  • 犬との関わり方を見直したい
  • 新しく犬を迎え入れることを検討している

動物行動診療学のエキスパート

著者は、ぎふ動物行動クリニック院長で獣医師の奥田順之さん。

ペットの問題行動について獣医学的、動物行動学の視点から診察をする動物行動診療科認定医です。

動物行動診療科認定医は日本でもまだ数が少なく、貴重な存在です。

 

動物行動診療科認定医として犬の問題行動の診察に当たる一方、犬猫の殺処分問題にも関心を寄せられ、2012年に立ち上げた特定非営利活動法人人と動物の共生センターで理事長としても活躍されています。

「問題行動」は一朝一夕に解決しない

タイトルが【❝動物の精神科医❞が教える犬の咬みグセ解決塾】となっていますが、正直なところ、この本を読んでもすぐに問題行動は解決しないと思います。
奥田先生ご自身もそのように本の中で書かれています。
問題行動は「これをこうすれば、パッと解決」というような類のものではありません。
そもそも、「問題行動」と一口に言っても、幅があります。
排泄をトイレ以外の場所でしてしまう、インターホンが鳴ったら吠えるというような困ったレベルから、食器を下げたり、体を触ろうとするだけで本気で咬んでくるという人間の心身に大きな影響を及ぼすレベルまで様々です。
獣医師であっても行動学を専門的に学んでいなければ、問題行動が起こる原因がどこにあるのかを突き止め、それを解決に導くのにはかなり苦戦します。
なぜならば、問題行動の原因は単純ではないからです。
生活に支障のないようなちょっとしたトラブルであれば飼い主さんご自身で解決法を少しずつ探りながら対処することもできますが、ヒトの健康的な生活にも影響を及ぼすような咬むなどの問題行為の解決は容易ではありません。

「問題行動」を根本から考える

問題行動の原因は単純ではない。
だからこそ、短絡的なしつけやトレーニング法に飛びつくのではなく、問題行動がなぜ起きているのかの根本的な理由、原因について知る、考えることが大切なのです。
【❝動物の精神科医❞が教える犬の咬みグセ解決塾】では、既存のしつけやトレーニング本とは一線を画し、問題行動の根本的な要因についての説明にページの大半が割かれているのが特徴です。

全部で7章から構成されていますが、最初の5章は「なぜ問題行動が起こるのか?」についてとにかく掘り下げていきます。

日本人の犬に対するしつけ観、犬の成長期における問題行動の発生、脳とストレス、飼い主と犬の相互関係における学習など、犬の行動について幅広いテーマが説明されています。

最後の2章でようやく、「遊び」咬みと「本気」咬みについての対策が登場します。
現時点で犬の咬む問題を抱えている方は序盤をすっ飛ばして解決方法だけ読みたくなるかもしれませんが、それは×。
あくまでも「なぜ?」の部分の理論を理解してこそ解決方法が生きてくるのです。
内容の濃い文章がひたすら続くので、焦らずじっくりと理解しながら読み進めていくことが大切です。

前向きに問題に向き合うための本

悩める飼い主に向けた、奥田先生のメッセージが本の扉に書かれています。

愛犬が咬むようになったのは、100%あなたのせいなんてことはありません。

そして、愛犬のせいでもありません。

今日からは、自分を責めるのはやめましょう。

❝動物の精神科医❞が教える犬の咬みグセ解決塾
奥田先生の人柄が表されているかのような優しいメッセージです。
問題行動を起こすからダメな犬ではないんだよ。
問題行動を起こさせているからダメな飼い主ではないんだよ。
問題行動で悩んでいる犬と飼い主さんに向き合ってこられた奥田先生だからこその言葉だなと、とても印象的でした。
本の中には科学的な獣医学用語や行動学習の用語など難しい言葉も出てきますが、奥田先生の犬と人の共生を目指す温かな気持ちを終始感じました。
問題行動は原因が複雑に絡み合っているため、「ズバッと解決」という単純明快な内容ではありませんが、最初から最後まで読み通すうちに奥田先生に励まされたような気持になり、ペットとの向き合い方を考えたくなるような本だと思います。

まとめ

動物行動診療科認定医が犬の問題行動を科学的に説明した珍しい一冊です。

犬との生活でお悩みがある方はもちろん、より犬との生活を充実させたい方、これから犬を迎え入れたい方におすすめです。

 

ただし、奥田先生も本の中で繰り返し述べられていますが、ヒトの身体に危害が及ぶような問題を抱えている場合は、本を読んで自力で解決を目指すのではなく、専門家(トレーナーや動物行動診療科認定医)の力を借りるようにしてくださいね。


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